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漁場環境保全の活動 その14 雨畑ダム湖内における濁りの低減対策

 去る10月27日に県峡南建設部身延支所と、富士川漁協、県漁連で合同パトロールの4回目を実施しました(申し訳ありませんが、3回目の報告は残業多いためパスしました)。

 パトロールに出る前に、今後の河川の浚渫伐採事業について打合せを行いました。遊漁上重要な河川、放流や解禁など工事を避けて欲しい時期や場所等について、身延支所の河川工事の担当者が漁協から要望を聞き取りました。工事の場所や時期を検討するため、このような機会を設定していただいたのですが、事前の調整や環境への配慮がなく施工される場合があるのに比べ、全く有り難い限りです。
十分検討が行われ、効果的な防災事業の実施と環境への配慮がなされることを期待したいと思います。

 さて当日は、①浚渫事業が行われた箇所(早川弁天橋)と②これから行われる箇所(雨畑川細野集落付近)、雨畑川堆積土砂の搬出に伴う③湖内での濁りの発生の低減対策、④ダム下流雨畑川の河床低下対策について視察を行いました。

 今回のパトロールで特筆すべきは、ダム湖内での濁り発生低減対策です。雨畑集落が被災しないことが最優先ですから、土石流によりダム湖内へ異常堆積した土砂の搬出は、早急に行なう必要があります。ただし、そのためには流路を掘り下げる作業が不可欠です。これまでも配慮はしていただいたものの、作業により濁りが発生していました。今回ついに濁りの低減を図る効果的な対策として、掘削作業で流水に触れないように、瀬替えをした流路を交互に掘削する対応を日本軽金属が行ってくれました。
 瀬替えの際には少しは濁りが出るでしょうが、環境に配慮した工法を実施していただいたことに、感謝したいと思います。なるべく濁りが出ないことを、期待しています。

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 現在の早川水系の濁りの発生要因は、稲又谷川の山腹崩壊とそれに伴う土石流により堆積した土砂から発生する濁りが一番大きいと考えています。稲又谷川から発生する降雨時の自然の濁りへの対処は困難ですが、人為的な発生は土石流により破損した稲又第3砂防堰堤の応急対策工事が終了したことに加え、今回行われたダム湖内の濁りの発生低減対策により、かなり抑えられてくると思います。

 砂利採取業者の方々にも洗浄水の流出防止等に対応していただき、富士川水系の濁りについて個別の改善はかなり図られてきていると思いますが、発電用取水堰の沈砂池に堆積した土砂の排出方法など、未だ検討すべき課題がいくつか残っています。
 原因も複雑で色々な立場の人が関係し、更に関係者は流域に広く分布しています。富士川の環境を改善しそれを持続させるためには、やはり関係者全員が関与でき、協議できる場が必要になってくるでしょう。このことについても、状況を確認しつつ関係者に要請を行っていきたいと思います。
 最後に、きれいなパワポの資料を提供していただいた、日本軽金属雨畑事務所の皆様に御礼申し上げます。

2021年11月9日(火)

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