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ヤマトイワナを守りたい Ⅱ

 富士川水系の源流には、ヤマトイワナと言われる白点を持たないイワナが生息しています。

 

 

 

 生息する支流によって、体色が白かったり、お腹が濃いオレンジ色だったりしますが、基本的に白点はありません。これら渓流魚の純系(正式には在来個体群という)の生息水域については、山梨県水産技術センターの調査により、県内全域において保全すべき水域が特定されています。

 

 そのような水系の一つで、「ある堰堤と堰堤の間に、突然白点のある、ほぼ同じ体長のイワナが出現した。その場所の下流を守りたいので、何か手立てはないか?」との話が県漁連にありました。

 

 現在、種苗生産されるイワナはの殆どが、白点を持つニッコウイワナです。多分誰かがこれを放流したのでしょう。

 

   (多分こんな感じで白点がある)

 

 ニッコウイワナが、そして放流が悪いことではありませんが、あえて僅かにしか残っていないヤマトイワナ在来個体群の生息水域に放流することは、避けるべきことです。

 

 以前にも記載したとおり、山梨県では漁業協同組合以外の者が種苗放流を行う場合には、県内水面漁場管理委員会の承認を得ることが委員会指示として決まっています。

 

 これにより在来個体群の保全を図っているのですが、このような生物多様性保全のための対処は、全国的にも先進的な取り組みです。

 

 

 先進的ではあっても、守られなければ規制している意味がありません。善意で行った放流であっても、遺伝資源を保全すべき場所への放流は、攪乱を招くだけです。

 

 このため、規制について周知すること、及び守るべき場所を漁業権者に伝えることについて、関係者へ検討を依頼しました。

 

 県内に生息するヤマトイワナ、ニッコウイワナ、アマゴ、ヤマメの在来個体群を次世代へ確実に引き継ぎ、かつ内水面漁業の振興が図られるための対応を図りたいと思います。

2025年10月6日(月)

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