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出るか尺アユ

  昨年、一昨年・・・・、ここ10年間、アユ解禁中の富士川本流は濁りっぱなしで、濁りが取れて竿を出せる日は、どの年でも10日ありませんでした。

早川からの濁りが流入する富士川

 

 しかし、この欄でも何回か報告したように早川水系の濁りの状況は急速に改善しており、現在では降雨直後を除き殆ど発生しなくなってきました。

 

 それは、濁りの原因として一番大きかった自然的要因である稲又谷川の土石流堆積部分の流路がかなり落ち着いてきたこと、加えて稲又谷川の発電用取水口が復旧し取水が再開したことにより、一番濁りを発生させていた稲又谷川下流部を殆ど水が流れなくなったことなどがあります。

 

 また濁りの人為的要因については、河川管理者と我々漁業関係者の要望を受けた関係者が、流路掘削・切替で生じる濁りを極力抑制するようになり、砂利洗浄(選別)にかかる排水と脱水汚泥の適正処理が進んできたことの効果も大きかったと自負しています。

 

 そして7月23日、富士川本流で27cmのアユが釣れ、その後も25~26cmが上がり、ついに8月11日には28cmがでました。

 

 また県境付近の下流から早川合流の付近までの各所で食み跡が多数見えています。これは、県産アユの良好な定着に加え、海産アユが相当数遡上した結果と思われます。

 

 平成23年以降富士川の本流では濁りが続き大型のアユは殆ど釣れてきませんでした。今年好調であるのは、まず遡上する海産アユの資源が豊富で、魚道を流れる水量も丁度良く、遡上期以降大きな出水もなく、加えて濁水が流れなかったことが大きなポイントと考えられます。

 

  ところで、富士川で大きなアユが釣れていた平成2~22年のアユの魚拓にある大きさを、釣れた日ごとにプロットしたグラフがあります。

 

   日ごとに釣れたアユが大きくなる様子が良く分かりますが、これに今年釣れたアユを黄色い印でプロットすると、順調に大型が釣れていることが分かります。グラフから見ると、このまま大きな出水がなければ、9月上旬には尺アユが出る可能性が高く、本流での釣果を見るとかなり期待できるといえるでしょう。

 

 富士川は上流の支流の漁協も含め良好な状況ですが、富士川中下流部では平成22年から12年ぶりに尺アユが釣れる期待が高まっています。富士川での釣果状況を確認しながら、是非お出かけください。

2022年8月12日(金)

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