2021年8月

 前回は早川砂利協同組合と県の峡南建設事務所身延支所が合同で行っている勉強会へ県漁連で参加させていただき、河川環境保全についての考え方を説明しました。今回はその2回目、勉強会後半の様子を報告いたします。

 前半に水生生物と河川環境に関する説明を行った後、参加された皆様にとっては釈迦に説法であったのかもしれませんが、早川の特徴について、次の資料で説明しました。

 富士川は日本3大急流の一つであり、大きな特徴が3点あること。

富士川の特徴-01.jpg  一つ目が、地学的な側面から見ると、土砂生産が盛んなため、本質的に濁りやすい川であること。

富士川の特徴-02-2.jpgのサムネール画像
 二つ目が、産業の側面から見ると、水力発電に高度に利用されていること。

富士川の特徴-03.jpg
 三つ目が、水産の側面から見ると、大きな鮎が釣れることで有名だが、ほとんどつれない年もあることです。

富士川の特徴-04.jpg
富士川の特徴-05.jpg
  土砂生産が盛んなことと、発電に高度に利用されていることは、皆さんご存じのようでしたが、大きなアユが釣れる日本でも有数な川である(であった?)ことは、初めて知った方も多かったようです。

県漁連と関係漁協では、尺アユが釣れるこの素晴らしい環境を取り戻すべく活動をしています。自然に発生する濁りへの対応は困難ですが、人為的な濁りを極力少なくして、本来の早川、富士川が持つ環境を後世に残したいと考えています。

富士川の特徴-06.png


 そのためには、砂利採取業者だけでなく多くの関係者と連携して、環境改善を図って行く必要性があることを最後に説明し、県漁連からの情報提供としました。
 その後、県からの情報提供と意見交換が行われました。意見交換の中で砂利の洗浄過程で発生する汚泥の適切な処分を進めるためには、関係者が協力して検討を進める必要のあることが再確認されました。

H14.8 -2.jpg
 以上が勉強会の概要になります。席上では当方に特に質問意見はなかったのですが、会議終了後に峡南建設事務所身延支所から、分かりやすく濃い内容であったので、河川や砂防工事を行う建設業協会等で話をすることも良いのではないかとの提案をいただきました。有り難いことですので、機会があれば是非こちらでもお話をしたいと考えています。(濁りがどうして困るのかについては、次回に持ち越しますので、御了知願います。)


 8月18日から県独自の協力要請が行われていましたが、8月20日にまん延防止等重点措置区域に山梨県が追加されました。
 山梨県では知事から感染拡大防止のため、県民の皆様に対しては、不要不急の外出・移動の自粛への協力を、また県外からは日帰り・宿泊を問わず観光・レジャーなどのために本県へ来訪しないよう協力を要請しています。
 まん延防止のため、実施期間の9月12日まで、皆様のご協力をよろしくお願いいたします。

 今回は早川砂利協同組合と県の峡南建設事務所身延支所が合同で行っている勉強会へ県漁連でも参加させていただき、河川環境保全についての考え方を説明しました。その様子を2回に分けて報告いたします。

 

 勉強会は721日、早川町役場2階の会議室で行われました。早川砂利協同組合の網野理事長はじめ組合各社、峡南建設事務所身延支所の市川次長と担当リーダー、それに当方県漁連とその他関係者で、合計で十数名の方々が出席されました。

役場.jpg早川町役場

 

 挨拶の後、砂利組合からの情報提供として、毎月各社の施設周辺で道路清掃等の環境整備を行っていることや、周辺住民から要望のあった砂利運搬車の安全運行についての実施していることなどについて状況報告がありました。その後に、いよいよ当方からの話題提供です。
次第2.jpg


 

当方からは「水生生物と河川環境」と題し、20分ほどパワーポイントのスライドを用いて、お話をさせていただきました。その際に配付した資料が次のものです。

 

配付資料1.jpg


先ず、川にはどんな生きものがいて、どんな関係にあるのか。川の中では石に生える付着藻類や流下物を水生昆虫が食べ、それを魚やカワガラス、カワネズミ等の生物が食べ、食物連鎖がつながっていること。渓流魚が生きてゆくためには食べ物だけでなく水量、水質、連続性、多様性、攪乱が魚の生息に必要なことを足早に説明しました。

次に、魚に影響を与える要因として、写真を用いて具体的に状況を知ってもらいます。



パワポ-01-1.jpg
 手前の水路にほとんど取水され、川に水が無くなっている


パワポ-04.jpg

何処も同じ水深、同じ流速なので、避難・産卵・接餌・休憩の場所が揃っていない。

パワポ-03.jpg
落差下流がタタキで水深が無いと、遡上できず、降下する際にも衝撃を受ける


パワポ-02.jpg発電用取水だけで無く農業用の取水が大きな影響を与える場合もある

パワポ-05.jpg
 生物への配慮がされないと河川改修で直線化され瀬淵構造が消失する場合がある

 

その後、早川では水質のうち、特に濁りが生物の生息に大きな影響を与えていると考えられること。増水時の川の濁りは問題視しないのに、なぜ河川工事など人為的な濁りを問題とするのか。人為的な濁りが川底や生物にどのような悪影響を与えるのか。について丁寧に説明を行いました(濁りがなぜ問題なのかについては、次回で詳しく説明したいと思います)。

これらの説明を行った上で、資料の最後にも書いたとおり、早川における濁りの発生には、崩壊地、河川工事、砂防工事、沈殿池の排砂、河川内道路の流出及び砂利採取上での発生などいろいろな事象が影響していると考えられ、今後各方面の関係者と協議が必要と考えていることを説明しました。出席者の皆様には、砂利採取場で洗浄水の漏出防止と汚泥の適切な処分に注意していただくことをお願いしました。(次回、勉強会の後半へ続きます)




1
PAGE TOP ▲